top of page

新人俳優たちが魅せる

アウトサイダーの復讐劇

学生時代に演出した短編「嘘」(2009)で第8回ミジャンセン短編映画祭 “愛に関する短いフィルム” 部門の最優秀作品賞を受賞し、監督として華々しくデビューしたイム・オジョン。その後、ポン・ジュノや チェ・ドンフンなど現代の韓国映画をリードする才能を絶えず輩出してきた韓国の国立映画大学「韓国映画アカデミー (KAFA)」に進学し、 業界から注目を浴びる中、本作で長編監督デビュー。「アウトサイダーの復讐劇であり、死に対する憧れと人生に対する猛烈な追求が入り混じりつつも、歪んだ生々しさが溢れる映画が作りたかった」と話すイム監督は、先入観やイメージが固定されていない新しい俳優に出会うべく、ナミ、ソヌ、チェリンというメインの3役をフルオーディションで選考。 数多くの才能ある新人俳優の中で、 オ・ウリ、パン・ヒョリン、チョン・イジュという新しい才能を発見した。

主演のナミ役のオ・ウリは 「オーディションを見た途端、 ナミを見つけたと確信し恋に落ちた」と監督が語るほど、卓越した演技をみせ第11回茂朱山映画祭アービン・クリエイティブ賞、第60回百想芸術大賞では映画部門女性新人演技賞にノミネートを果たした。個性的でどこか憎めないキャラクターたち、ナミとソヌの人物像に基づいた二人のファッション、 『詩人の恋』などで知られる音楽監督のク・ジャワンによる音楽、イム監督が 10 代の頃からオルタナティブ・ロックを好きだったことから運命的に出会った오핑 (Offing)の楽曲、 オープニングで登場するレーザー照明の効果やエンドロールで見られるスクラッチアートといったギミックなども観客を楽しませてくれる見逃せない本作の魅力となっている。

復讐と救いというテーマを、スクールカーストやカルト宗教といった社会問題も織り込みながら

予測不能の青春冒険譚としてフレッシュに描いた本作は、 地獄のような現実にも小さな勇気を持つことで、かけがえのない美しい瞬間がくることを世界中の “ぼっち” たちに気づかせてくれる。『テル

マ&ルイーズ』や『ゴーストワールド』にも引けを取らない魅力のあるガールズ・バディ・ムービーが誕生した。

bottom of page